ねこさんのブログ
マス工房のねこさんが製作風景や開発状況などを気ままにUP

Headphone Bar TAGO STUDIO + MASS-kobo
多胡さんにインタビュー 2022/12/30
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インタビュアー ルームCHAO 蛭川薫

「まさに神との出会い
フラットなオリジナルヘッドフォンに最適なのは
マスさんのアンプだけだった。」

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高崎で音楽スタジオを経営する傍らヘッドフォンの開発製造にも着手し、2022年8月には高崎駅前に自らのヘッドフォンで音楽を聴きながらお酒も楽しめるヘッドフォンバーをオープンさせた多胡邦夫氏。
音へのこだわりを追求し、それをより多くの人に楽しんでもらいたいと願う多胡氏に音楽愛好家などが集い、思い思いのひとときを過ごす場を提供するまでの経緯と、なぜマス工房のアンプを導入したのかをお聞きした。

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地元に貢献したいとの思いから
高崎市と共同でレコーディングスタジオを設立
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もともと作曲家として浜崎あゆみやEvery Little Thing、AKB48などに数々の楽曲の提供を行ってきました。
プロデュース業も多数したのち、地元である群馬県高崎市をもっと盛り上げたいという気持ちが強くなり、高崎市に録音スタジオを設立。
布袋寅泰さんをはじめ多くのミュージシャンに利用していただいています。
同時に自分が納得できるようなヘッドフォンがなかったことから高崎の株式会社トクミに協力を仰ぎ、オリジナルのヘッドフォンの開発にも着手。
ある時、自分もウィスキー好きだったこともあり、またサスティナビリティも追及していきたいと考えるようになっていたためイチローモルトの樽の廃材を使ったヘッドフォンを試作したところこれが大好評となりました。

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実際に聴いてもらえる場として
理想だったのがヘッドフォンバー

当初はショールーム形式で視聴してもらえる場所を作りたいと思っていたのですが、ヘッドフォンバーという世界でもユニークな形となったのはコロナ禍がきっかけなんです。
緊急事態宣言が発令されていた時期、家族が同じ場にいながらそれぞれがTikTokだったりテレビだったりYouTubeだったり違うものを見たり聞いたりしながら時間を過ごしている。
そしてときには揃って鬼滅の刃を見て盛り上がる。そのとき、あぁこれが新しい時間の過ごし方なのだなと気づいたんです。
同じ場にいながら違うことをしたりときには共有したりする。
従来の音楽バーでは一般用スピーカーで多くの人が同時に同じ音楽を聴くというスタイルでしたからセンターにいなければ音が変わってしまうし、その場にいる人が会話すると音楽を聴きたい人の邪魔になるためおしゃべりはできない。
それがそれぞれの人がひとつひとつのヘッドフォンをつけて音楽を聴けば安定した高品質の音が楽しめる。
しかも他の人が会話していてもその音は耳に入ってこない。おしゃべりを楽しみたい人はヘッドフォンを外せばいいし、聴きたい曲がかかったときにはそれに集中できる。

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フラットなヘッドフォンにぴったりだったのが
マス工房さんのアンプでした

レコードも地元FMのみなさんや個人で所有していた方々が譲ってくださり、施工なども順調に進んだのですが最後の難問がもともとの音を忠実に再現するアンプの入手でした。
当社のヘッドフォンのフラットさに対応できるアンプを求めて数十社の製品を試してみましたがどれも音が原音と変わってしまう。
そんなとき、オーディオイベントで知り合ったマス工房さんのアンプを試させていただきました。
もう、さすがNHKさんでも使用されているマス工房さんのアンプはピカイチで、聴いたときに「これしかない」とすぐに決意。
形もよかったし、2チャンネルで使用できるのも理想的でした。迷いはなかったですね。音にブレも雑味もない。
まさに神との出会いかと思いました。
カウンター下に設置できてスマートですし、音源の細部まで再現できて新鮮だというお客さんも多くいます。
もちろんiPadもあるのでそちらを利用するお客さんもいますがここに来てくださる多くの方はやはりレコードとプレーヤーとアンプとヘッドフォンというスタイルを楽しまれています。
おいしいお酒を飲み、好きな音楽を素晴らしい音で聴ける、さらに趣味が共通の仲間ができる。
おかげさまで世界でも珍しい、自分の理想のヘッドフォンバーを作ることができました。
手作りならではのこだわり抜いた音を再現いただけたマス工房さんには感謝の気持ちしかありません。
これからも、お互い切磋琢磨しあいながら良い音を届ける環境を提供していきたいと思っています。

Headphone Bar

写真 多胡邦夫氏 プロフィール
作曲家・音楽プロデューサー/TAGO STUDIO TAKASAKI運営責任者。
数々の著名人に楽曲提供を行い多くのヒットを飛ばす傍らプロデューサーとしてNHK紅白歌合戦出場も果たす。
また、全国初の試みとなる群馬県高崎市営のプロ専用レコーディングスタジオ「TAGO STUDIO TAKASAKI」の運営責任者を努め、近年ではオリジナルヘッドホン「TAGO STUDIO T3-01」を生み出し、国内外問わず「メイドイン高崎」を発信している。

TAGO STUDIO TAKASAKI

model429 Headphone Bar仕様
NHK等で音楽番組の制作時に使用されている業務用ヘッドフォンアンプmodel429のヘッドフォン用出力コネクターをノイトリックの6.3mmから信頼性の高い日本ディックス製の3.5mmジャックに、ボリュームノブをSIFAM社製21mmノブからNEVE等の高級ミキサーにも使用されているイギリス・Ritel社製16mmナットキャップ付きノブに変更した特別仕様。
写真上 model429 Headphone Bar仕様、写真下 標準型model429 写真